カーリング世界選手権は悔しい4位。中部電力が見据えるさらなる高み (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text by Takeda Soichiro
  • photo by AFLO

 課題だったアイスリーディング(氷の状態を読むこと)も、比較的他国よりも早い段階からクリアになっていた印象だ。その結果、日本のチームにとっては慣れていない欧州の、しかも世界選手権という大舞台でも、トップ4という結果を出すことができた。

 もちろんそれは、なかなか結果が出ないなかでもチームを支えてきた会社の辛抱、両角友佑コーチの献身的なストーンチェック、そして日本選手権で全勝優勝したチームの自信、すべての要素がかみ合って実現したものだ。

 ただ、選手たちは冒頭で紹介したような手応えも得たが、必ずしも満足はしていない。

「(4位という結果は)うれしい反面、もう少し(自身の)ショット率が上がっていれば、もっと勝てたんじゃないかな、という気持ちもある。最後の韓国戦(3位決定戦)は、(持ち)時間もなくなってしまったので、スキップとしては時間の使い方も反省点」(中嶋)

「世界のリードは、ショットだけでなく、スイープもすごく強い。そのほか、細かいところも(優勝した)スイスなり、(準優勝の)スウェーデンなり、トップチームから学んでいければ......。そのためにも、(今大会の)映像、アーカイブや録画などもあると思うので、それを見直したい」(石郷岡)

「初めてアリーナリンクで試合をしたが、(アイスが)滑っていないところと、滑っているところの使い分けがうまくできていなかった。世界選手権で経験したものをしっかり学んで(吸収し)、次のアイスアリーナ(の試合)で生かしていきたい」(北澤)

 北澤が口にした「次のアイスアリーナ」とは、再び日本代表として戦う11月のパシフィック・アジア選手権だ。来年の世界選手権の予選でもあり、その世界選手権の結果は2022年北京五輪の出場枠にもかかわってくるため、非常に重要な大会となる。

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