スノボ日本男子勢が躍進。筆頭は
「ヤバい」ライダーを目指す片山來夢

  • 徳原 海●文・写真 text&photo by Tokuhara Kai
  • BURTON●競技写真 riding photo by BURTON

「平昌五輪と昨年のUSオープンの後に、少しスノーボードから離れてアメリカに英語を勉強しに行ったんです。そのことで、自分でもコミュニケーション面で大きな進歩を感じています。大会で海外ライダーたちと会っても前は挨拶だけだったのが、今シーズンは彼らといろんな話をすることができ、そこから新しいインスピレーションを得たりもしています。このUSオープンでも、自分の名前を覚えて熱心に応援してくれる現地ファンに対して、自分の滑りと言葉でしっかりと応えることができたことをうれしく思いますね」

 ハーフパイプでは3位に入った戸塚優斗(ヨネックス)の活躍も見逃せない。なんと優勝したジェームズを抑えて予選ラウンドを89.37ポイントでトップ通過。1番のビブナンバーをつけての最終出走となったファイナルは、1本目でジェームズ、片山に次ぐ84.49を出して3位につけ、3本目に大技「フロントサイドダブルコーク1440」を完璧に決めるも87.12で惜しくも上位2名に届かず。

 しかし、17歳が見せたクオリティの高い滑りは目の肥えた現地のファンを唸らせるのに十分。決勝では観客エリアから「ユウト!」の掛け声も多く上がるなど、完全に世界のトップライダーの仲間入りを果たした。1月のXゲームズでも準優勝に輝いた17 歳。これからの進化が楽しみだ。

「XゲームズとUSオープンで優勝することが小さい頃からの夢なので、初めて3位表彰台に上がれたことは素直にうれしいです。でも、今シーズンはスコッティに負けっぱなしなので悔しさも大きいです。来シーズンは得意な1440の精度をさらに高めて、少し自信のなかったバックサイドの技も伸ばしつつ、新たにマックツイストもルーティンに取り入れていきたい。スコッティの強さは人がしないルーティンをやっていること。だから彼に勝つためにも、回すだけではなくオリジナリティのある滑りを追求していきたいです」

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