2019.03.09

伝統の一戦で初の表彰台。
日本の「スノボガールズ」の未来は明るい

  • 徳原 海●文・写真 text&photo by Tokuhara Kai
  • BURTON●競技写真 riding photo by BURTON

 しかし、20歳になった彼女と1年ぶりにベイルの雪上で会うと、「何か吹っ切れた」と感じられるほど表情は明るく、予選2本目のラストジャンプで見事な着地を決めた直後には「決勝が悪天候で中止になる可能性もあったので、自分の中ではかなり攻めました!」と晴れやかな笑顔で語ってくれた。

スロープスタイルファイナルでの鬼塚のライディング。エアの高さはまさに圧巻だった 今季W杯のビッグエアで勝利している17歳の岩渕麗楽(れいら/バートン)が8位、1月のXゲームズでビッグエア5位に入賞した藤森由香(アルビレックス新潟)は12位と、同じく決勝進出が期待された2人は、ラストジャンプでの失敗が響き予選敗退してしまう。そんななか、鬼塚は日本人として唯一ファイナルに進出。ちなみに優勝候補筆頭のジェイミー・アンダーソンもまさかの予選敗退だった。高難度のトリックやエアを繰り出せる実力者であっても、1つの着地ミスが結果にダイレクトに響いてしまう競技スノーボードのシビアな一面が垣間見られた。

 鬼塚は決勝でも大胆、かつ安定した滑りを披露。とりわけ4位で迎えた3本目のランはすばらしかった。難易度を高めたジブセクションを着実にクリアすると、ラストジャンプの「バックサイド720」では男子顔負けの高さと飛距離を出して78.85の高ポイント。土壇場でヘイリー・ラングランド(アメリカ)を逆転し、ゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)、ジュリア・マリノ(アメリカ)に次ぐ3位に。自身初、さらには日本人女子として初めてUSオープン・スロープスタイルの表彰台に上がった。そして、言葉を選びながらではあるが、その喜びと手応えは言葉の節々から伝わってきた。