中部電力をカーリング界の新女王に押し上げた、偉大なる2人の先駆者 (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 日本選手権を制した中部電力はこのあと、デンマーク・シルケボーで開催される世界選手権(3月16日~24日)に日本代表として参加する。チームとしては、2013年のリガ大会(ラトビア)以来、6年ぶりの世界選手権出場で、松村と清水以外は選手として初めて世界のアイスに乗ることになる。

 両角コーチは言う。

「今回は、ポイントポイントでしっかりキーショットを決めることができたけれど、技術的にはまだロコ(・ソラーレ)のほうが上。彼女たちとまたいいゲームができるように、(中部電力の選手には)高い目標を持って世界選手権に挑んでほしい。僕もできるだけのサポートはしていきます」

 中部電力は6年もの長い間、世界のアイスから離れていた。その間に2度の五輪が行なわれており、その主役は他のチームだった。それでも、中部電力の選手たちは腐らず、前だけを向いて地道に強化を続けてきた。

 彼女たちの努力の上に、会社のサポートをはじめ、新コーチの献身、先駆者のアドバイスなど、多くのものが積み上げられて、今回の優勝が実現した。新たなスタイルを確立した中部電力が、世界でどれだけ通用するか。多くのファンが注目している。

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