カーリングに青春を捧げた吉村紗也香「好きなものはお笑いとお寿司」 (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――スキップの鑑のようなメンタルですね。これまでのカーリング人生において、挫折したことはあるのでしょうか。

「何度か、あります。高校時代は勝てない時期が長くて、悔しい思いをしました」

――当時のジュニアには、同じ地元の藤澤五月選手(現ロコ・ソラーレ)や、長野県の御代田ジュニアの土屋海さんなど、同世代には技術の高い選手がそろっていましたからね。そうした時を経て、現在所属の北海道銀行フォルティウスに入ってからは、迷いなどが生じたことはありますか。

「フォルティウスに入って数シーズン経ってから結果が出なかったときは、ショットが決まらない自分に失望したり、『これ以上、伸びないんじゃないかな』と不安になったりしました。練習でできても、本番で決まらない。海外の難しいアイスにも対応できない、という悔しさ、怖さを抱いていました」

――そういうとき、吉村選手はどう対処するのでしょうか。

「悩んでいても仕方がないので、とにかく黙々と練習していた気がします。とくに誰かに相談もしませんでした。でも今は、以前の自分に比べて、自分のことや思ったことなどを口に出して、チームに話せるようになりましたから、しっかり自分を分析しながら、どんな練習が必要なのか、どうすればもっとよくなるか、考えながら練習しています」

――カーリングに向かう姿勢は、やはり真摯ですね。それを維持するルーティンのようなものはありますか。

「う~ん......、しっかり睡眠をとることくらい。でもこれって、ルーティンではないですね。何か"これ"といったものはないんです。"これ"って決めちゃうと、それをやらないと不安になるかもしれないし、やらなかったときに、それがメンタル面に影響したりするのが嫌なんです」

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