カーリング界の新女王へ。吉村紗也香が「新生」北海道銀行を変える (5ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

――そうなると、リードの船山弓枝選手のウィックが楽しみですね。

「はい、すごく上手なんです。ぜひ、全日本(日本選手権)では弓枝さんのウィックに注目してください」

――その日本選手権でも、ライバルとなるロコ・ソラーレとは12月にワールドツアーのBoost Nationalで対戦しました。日本勢同士がグランドスラムで対戦するのは、史上初の快挙でした。

「相手がどこだからと、とくに構えていたわけではないのですが、グランドスラムという舞台で、ロコと試合ができたのはうれしかったですね。『日本にもたくさんいいチームがあるんだ』ということを知ってもらえるように、これからもがんばりたいです」

――その試合では、惜しくも敗れてしまいました。

「昨季、ロコとは対戦する機会がなくて、軽井沢で行なわれた全日本(2017年2月)以来の対戦で、とてもワクワクしました。ラストロックでゴミが噛んだりして、不運もあったんですけど、(日本選手権でライバルとなる)ロコと、あのタイミングで、それもグランドスラムの舞台でゲームができたのはよかったです」

――日本選手権へ向けての抱負を聞かせてください。

「リードの弓枝さんがしっかりセットアップしてくれて、パワーのあるセカンド、サードで形を変えることができる。それが、今のチームの大きな武器になっています。(日本選手権でも)いいゲームができると思います。

 私個人としては、粘り強さ、最後の1投まであきらめずに勝機を探る姿を見せたいです。これまでは淡々とプレーしていた部分もありますが、多少、泥臭くてもいいので、最後まで目が離せないような試合をみなさんに見てもらえたらうれしいです。

 チームは試行錯誤を繰り返しながらも、いい状態で全日本を迎えることができました。地元開催の今年は優勝して、お世話になったみなさんに、成長した姿を見てほしいと思っています」

(つづく)

吉村紗也香(よしむら・さやか)
1992年1月30日、北海道北見市常呂町出身。小学4年生からカーリングをはじめ、常呂高校時代から日本選手権の表彰台に立つなど、若くから頭角を現す。札幌国際大学時代には日本ジュニア選手権で3連覇を達成し、2013年の世界ジュニア選手権では銅メダルに輝く。2014年から北海道銀行フォルティウスに加入し、今季からスキップを担う。

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