ロコ・ソラーレだけじゃない。カーリング女王をかけた戦いは激アツだ (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●文 text&photo by Takeda Soichiro

 一新されたチームは、船山弓枝→近江谷杏菜→小野寺佳歩という構成を、新スキップの吉村紗也香が率いる。その吉村は、ここまで好調な今季について「しっかり世界と戦えることを実感できる期間」と評した。

 トレーナーやコーチを増員し、体幹をはじめとしたパーソナルメニューを組んで、それぞれがイチから体作りに取り組んだほか、ダンスの基礎レッスンなども取り入れ、柔軟性や可動域の拡大も求めてきた。そうしたさまざまなアクションが結実しつつある今季、チーム一同が強く欲する「地元での日本一」を実現したいところだ。

 世界での経験という点では、ディフェンディングチャンピオンの富士急も、有意義な1年を過ごしてきた。昨年の3月に世界選手権のアイスを踏んだのをはじめ、つい先日もロコ・ソラーレと分担する形でW杯のサードレグ(スウェーデン・ヨンショーピング)に参戦したばかり。惜しくもクオリファイはならなかったが、2勝を挙げるなど、世界のアイスで成長を示した。

 昨季後半から産休をとっていた西室淳子も10月のツアーから復帰。チーム内にバリエーションと競争が生まれたのも好材料だ。

「ツアーランクでは、上に3チームいる。また今年もチャレンジャーの気持ちで挑みます」と語るのは、スキップの小穴桃里。昨年の優勝のことは忘れて、貪欲に戦いの場に臨む。

 その小穴が言う「上に3チーム」とは、先に触れたロコ・ソラーレと北海道銀行、あとひとつは中部電力だ。

 今季は成長著しい若きタレント、北澤育恵をフォースに、中嶋星奈をスキップに、それぞれ抜擢。「私は縁の下の力持ちでいい。ハウスのふたり(北澤と中嶋)がのびのびやって、ちょっと迷ったときに意見を言うくらい」と語るチーム最年長の松村千秋がサードに回って、うまくチームが機能している印象だ。

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