海外メディアは宇宙人と命名。小林陵侑がW杯総合優勝へ驀進中だ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 photo by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 しかし、連戦の疲労で少し狂いも出始めている。バルデフィエメ第2戦と次のザコパネ大会では7位に止まった状態で札幌に帰ってきた。

「ザコパネはスタートゲートからの入りがすごく難しかったので厳しかったですね。入りでうまく助走姿勢を組めなかったのが、あの結果につながったと思う」

 そんな小林にとって札幌大会は1カ月ぶりの地元でリフレッシュするとともに、土屋ホームのヤンネ・バータイネンコーチにジャンプを見てもらい、修正する機会になった。

 その成果は25日の予選でも見受けられた。疲労感はぬぐい切れず、鋭さに欠けている踏切ではあったが、雪が降る悪条件の中で128.5mを飛んで3位になった。1位のステファン・クラフト(オーストリア)には2.7点差だったが、予選ということで着地でテレマークを入れられなかった分だけの差で、しっかり入れていれば余裕を持ってトップに立つジャンプだった。本人も「練習の1本も含めて2本ともタイミングがあったいいジャンプだった。特に予選(この日の2本目)は明日につながるいいジャンプだったと思う」と話していた。

 その言葉通り、初日のジャンプは悪くなかった。

「2本目もいいジャンプだったけれど、青信号になってもヘッドコーチがスタートの合図を出すのを今シーズン一番くらいに粘っていたので『これは(向かい風があまりなく)やばいんだな』と思いました」

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