稀勢の里が師匠の教えを胸に貫いた「力士の美」「ラオウへの憧れ」 (3ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji
  • photo by Kyodo News

 天国の先代への思いを聞かれると、「本当に感謝の気持ちを伝えたいです」と声を震わせた。猛稽古を強いられた苛烈な稽古場があったからこそ、今の稀勢の里がある。今後は年寄「荒磯」を襲名し、荒磯親方として田子ノ浦部屋の部屋付き親方として後進の指導をすることになるが、将来は独立して弟子を育てることになるだろう。

「先代は稽古場というものを非常に大事にしていました。それを今後、次世代の力士に教えていきたいです。一生懸命に相撲を取る力士や、ケガに強い力士。そういう力士を育てたいです」

 先代の鳴戸親方から稀勢の里へ受け継がれた"正々堂々"の系譜を、絶やすことなく未来の力士へ伝えていく。

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