ロコ・ソラーレにとって、PACCの敗戦も世界一への「いい教訓」 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 滑るアイスについては、ロコ・ソラーレのスキップ・藤澤五月も留意していたが、最後までアジャストできなかったことが明暗を分けた。藤澤が語る。

「(滑るアイスのことは)わかっていたつもりなんですけど、やはりもうちょっと慎重に投げて、うまくスイーパーを使うべきでした。相手(の韓国)は、アイスに合わせた投げ方やウエイトコントロールを見せて、試合のなかでも『成長しているな』と思った。

 彼女たちは、教わったことをすぐにアイスで表現できる強さがある。今回は(韓国チームに)成長を見せつけられたが、私たちもそれ以上に成長しなければいけない」

 今季、ロコ・ソラーレは、強化のキーワードのひとつに"準備"を挙げている。「練習、休息、食事......全部です」と言うのは、吉田夕だ。

 たとえば、食事では「私たちのチカラめしは、白米です」という彼女たちは、今大会でも炊飯器と大量の日本米を持ち込んで、自炊生活でコンディションを整えた。試合前にも「約3時間前にビッグミールを摂って、(その後も)エネルギーを切らさないように、捕食の準備もする」そうだ。

 結果は準優勝に終わったものの、そうした"準備"は一定の成果を挙げた。加えて、得るものも決して少なくなかった。選手それぞれが、収穫と課題を口にする。

「今までやってきたことと、新しくトライしていることがつながってきた。今季は(挑戦者として)向かってくるチームが増えてくるが、そうやって挑んでくる相手に対してどう戦うかを考えたい」(吉田夕)

「すごく成長を感じられた大会。勝ち切れない部分は、メンタルなのか、何なのか。そこはまた、みんなで考えて探して、これから、プレッシャーのかかる大会や試合でも勝てる、強いチームにならなくてはいけない」(鈴木夕湖)

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