新境地開拓。パワーを強化した髙木美帆は葛藤を楽しんでいる (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 髙木自身、「パワーがついた分500mは速くなり、それが1000mや1500mにも相乗効果として出てくるのではないか」と期待しているという。一方で3000mなどの持久力が必要な長距離になると、パワーとのバランスが難しくなる。それでも「体を使いこなすにはもう少し時間が必要だと思うけど、チャレンジしていきたい」と前向きに話していた。

 そのパワーアップの成果は2日目の1000mでも発揮された。インスタートだった髙木は、最初の200mを自身が持つ大会記録(1分14秒89)のラップに迫る18秒02で通過すると、600m通過は大会記録より0秒25速い45秒56にタイムを上げた。

 だが、次のクロッシングゾーンでは、同走の辻麻希(開西病院)と並んだためにスピードを急激に上げて抜く不利もあり、ラスト1周はタイムがやや落ちた。それでもゴールタイムは大会記録を0秒03更新する1分14秒86となった。

「辻さんも失格にならないで、自分も大会記録というところまでいけたのはよかったですが、やっぱり小平さんが持っている国内記録(1分14秒58)の更新を狙っていました。先週のジャパンカップは1分14秒92でしたし、もうちょっとだったなという思いはありますね。スタートはあまりうまくいかなかったけど、600mまでのラップタイムは27秒4~5で行かなければと話していたので、そこはよかったと思います」

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