シーズン本番。小平奈緒はなぜ結果がいまいちでも前向きなのか? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 結城コーチは「練習の時の氷が安定していなくて霜が乗ったり、今日のようにツルツルだったりしたので。たぶん今日はブレードがちょっと氷を嚙みすぎたと思うんです。そのへんは微妙なところですが、これから精度が上がって戻ってくると思います」と説明する。

 同じアウトスタートでリンク記録(1分14秒58)を出した昨年の五輪選考会の時は、最初の200mを17秒88で滑って、そこからの400mは27秒18だった。今回は200mまでは17秒78とタイムを伸ばしたものの、次の400mは27秒41と遅れ、ラスト1周も0秒39遅い29秒91と伸びなかった。

「リズムがはまり切っていなかったのですが、こればっかりは氷の上で感覚を見つけていかないと身につかないので、そこはこれからの楽しみです。1000mは余裕がある分、ちょっとヤンチャな部分が出てしまうけど、今はメンタルコントロールができているので、1000mにも生かされるかなと思います」(小平)

 結城コーチも「今回の1000mは、狙えるような手ごたえを持って臨んではいなかったので、一発目のレースとしてはこんなものだと思います。去年のこの大会ではゴール前で転倒したんですが、その時のスピード分析をすると1分15秒1くらいの滑りで、今回もそれにほぼ匹敵する結果かなと思っています」と楽観視する。

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