タカマツペアは銀でもポジティブ。「やられたらやり返す」で成長する (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Naoki Nishimura/AFLO SPORT

 また、高橋はこの試合を笑顔でこうも振り返った。

「本当にお互いにいいプレーを出せたので、自分で言うのもあれですけど、決勝戦にふさわしい試合ができたんじゃないかなと思います。第2ゲームの18-20になった場面も、今までの自分たちだったら、そのまま終わっていたところだと思し、相手にあれだけいいプレーをされるといつもだったら押されて負けてしまうことの方が多かった。でも今回は本当に、最後まであきらめずに打ち返せたので。そこは自分たちの進歩だと思います」

 団体戦の後で松友は「世界のトップ選手とやるときは本当に楽しいんです。やられてしまった時でも『そんなショットを打てるんだ』とか『どこからそんなショットがくるの?』というようなすごい刺激も感じられるので。そういうのも楽しみながら、やられたらやり返すぞという気持ちにもなれるし、それで成長できると思います」と話していた。

 強い相手と互いの技術や知力を出し合って戦えば、それだけ自分たちのスキルも向上することができる。それは対戦競技の持っている特徴であり、楽しさでもある。ふたりはこの決勝でそんな醍醐味を味わう試合ができた。

「今回は悪い試合が1試合もなかったので、大会を通してすごく成長できた気がする」(髙橋)

 一度は頂点に立ったふたりだが、アジア大会で強いライバルと戦い、再び成長する喜びを思い出したことで、進化する楽しみを感じられたようだ。

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