日本バドミントン界の競争が激化。もはやタカマツペアだけではない (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 各国が世代交代にもたついている中で、日本はナショナルチームがしっかり機能し、世代交代もうまくいっている。それを証明するのが、今回の世界選手権に出場した選手の中で、リオ五輪に出場していたのは髙橋・松友組と女子シングルスの山口、奥原のみという事実だ。さらにメダリストとなると、女子シングルスの山口だけになる。この入れ代わりの激しさも、日本バドミントンの躍進を支えている大きな要因だ。

 そして、選手たちの大きなモチベーションとなっているのが、20年東京五輪の存在だ。12年ロンドン五輪女子ダブルスで藤井瑞希・垣岩令佳組が銀メダルを獲得し、16年リオ五輪では髙橋・松友組が金メダルで、奥原が銅メダルを獲得している。五輪のメダルは日本の選手にとって身近なものになったが、それを目指すためにはまず出場権を獲得しなければならない。

 各種目最大で各国2枠、という狭き門で、それも激しい争いに拍車をかけている。特に女子ダブルスは松本・永原組の優勝で、これまでのランキングが14位から9位に上がったが、それでもまだ5位以内にいる福島・廣田組や髙橋・松友組、米元・田中組を抜けない状況だ。そんな厳しい国内の戦いが今の日本のレベルを上げる原動力になっている。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る