世界王者になった桃田賢斗。圧倒的だった強さの要因は「心の成長」 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by AP/AFLO

 次のアジア大会で、「攻撃も交えながら戦える状態になるはず」と言う桃田は、「ディフェンスができないと勝てないので、そこは自分のプレーの土台でもあるし、今回はレシーブがきっちりできるというのがすごく自信になった。そこは崩さず、ディフェンスからの攻めのタイミングの取り方だったり、ポジショニングだったり......。そういうスキルをもっともっと磨いていきたいと思います」と意欲的に語る。

 これからのバドミントン人生を冷静な目で見据えている彼が今回見せた姿は、今やレジェンドと称される林丹やリー・チョンウェイらがそうだったように、「絶対に負けそうもない」と思わせる王者の戦いぶりだった。

「今は東京五輪を照準にはしていないし、1戦1戦を全力で戦うのが自分のやるべきことだと思う。それをやっていれば、自分の成長にもつながると思うから、その先に東京があればいいと思う」

 そう語る桃田は、自らの足下をしっかりと見つめている。

 出場停止という苦しい期間に体力アップに務め、持ち前の技術だけではなく、心の成長も手に入れた桃田。彼はここから本当の強さを手に入れるため、さらなる進化へまた一歩踏み出した。

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