「氷上のビーナス」は体重減で引退を実感。
スマイルジャパン、エースの16年

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao 五十嵐和博●撮影 photo by Igarashi Kazuhiro

 アメリカとカナダの決勝は現地で見ましたが、ちょっと次元が違いました。ただ、日本も3位なら狙えるところまできていると思うので、次の北京では絶対にメダルを獲ってほしいです。いまの若い選手は体も大きく、自分にないものをたくさん持っています。小さい頃から海外の試合の動画などを見て研究している選手も多く、頼もしい。(SEIBUプリンセスラビッツで主将を引き継いだ)床秦留可(とこはるか)なんて、シュートはパワフルだし、細かいプレーもできて、一緒にやっていて、すごいなと思うことばかりでした」

――平昌五輪で、アイスホッケー以外で印象に残っていることなどはありましたか?

「スピードスケートのマススタートとチームパシュートで2つの金メダルを獲った高木菜那ちゃんはすごかったですよね。身近と言ったら失礼なのですが、ソチ五輪の頃からイベントで顔を合わすこともありましたし、SNSなどでつながっていたので、そういう選手が頑張っている姿を見て、本当に感動しました。選手村で会ったときに、すごくいい表情をしていましたし、やっぱり金メダルを獲る選手は輝いているなと思いました」

――長い現役生活で、いちばん印象に残っていることはなんでしょう?

「2003年に高校生で代表に入った頃は、先輩たちが怖かったですね(笑)。印象的な出来事はいろいろありますが、1つ挙げるならソチ五輪。その前のバンクーバーは予選の最終戦で中国に勝てば出場が決まるなか、負けてしまい出られなかった。それだけにソチの出場が決まったときはうれしかったです。本番では試合とは全然関係ないんですが、選手村や食事会場の雰囲気ですら感動しっ放しでした(笑)。

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