クライミング界のスーパースターが語る、日本男子の抜きん出た才能 (2ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文・撮影 text & photo by Tsugane Ichiro
  • 興梠友理●協力 Cooperate by Korogi Yuri

「タイムマネージメントがちゃんとできれば、選手会会長をしていることは何の問題もないよ。すべての選手のために働く選手会会長という仕事は重要だし、僕はやりたくてやっているだけだからね。IFSCも僕たちの意見を聞いてくれるから、やり甲斐もあるんだ。日本人選手ではアキヨ(野口啓代)が選手会に関わってくれているよ」

 マッコールは6月8日~9日にアメリカ・ベイルで行なわれるボルダリングW杯第6戦に出場したあとは、7月6日~7日から始まるリードW杯シーズンに向けたトレーニングを開始する。リードで求められるエンデュランス(持久力)を高めるには時間がかかるため、ボルダリングW杯は中国大会までで切り上げて、八王子大会以降は出場を見送る選手もいる。

「ベイル大会のあとから始めるのは練習期間としては短いけれど、僕のクライミングスタイルには、それで十分なんだ。リードでも、ボルダリングでも、パワフルに素早く登っていくのが僕のスタイル。リードの競技時間は6分あるけれど、僕は半分の3分くらいで登っちゃうからね」

 昨年まではヨーロッパに生活拠点を置いていたマッコールは、今年からふたたびカナダで暮らしているが、シーズン前に集中してトレーニングを積むときはヨーロッパへ渡るという。

「カナダは練習環境が整っていないからね。長期の練習時間が取れるときは、オーストリアのインスブルックなどのヨーロッパに行ってやるんだ。中国でのボルダリングW杯のあとは、東京などで八王子大会に向けてのトレーニングを積んだよ。

 日本はボルダリングのトレーニング施設が充実しているからね。だから、日本人クライマーはボルダリングの練習に多くの時間を費やせるんだろうけど、そこまでクライミングに打ち込めるっていうのも、すごい才能だなと思っているんだ」

 その日本人クライマーはマッコールの目にどう映っているのか訊ねると、「トモア(楢﨑智亜)よりも、ココロ(藤井快)のほうが英語は少しうまいから話しやすいかな」と、笑いながら語り始めた。

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