女子スノボの美しき10代ニューヒロインたちは、北京のメダルに照準 (3ページ目)

  • 徳原 海●文・写真 text&photo by Tokuhara Kai

悔しさを胸に、笑顔で来季の飛躍を誓う岩渕麗楽悔しさを胸に、笑顔で来季の飛躍を誓う岩渕麗楽 そんな村瀬と明暗を分けたのが岩渕麗楽である。平昌五輪ではビッグエア種目で4位に入賞。メダルまであと一歩のところまで迫る活躍を見せたが、村瀬同様に初出場となったUSオープンは予選10位でのフィニッシュとなった。

「正直なところ、五輪が終わって自分の中でドーンと疲れがきちゃったところもあって、集中しきれていなかった部分はあります。でも、どんなにハードなスケジュールやコンディションでも結果を出していくのが本当に強い選手。悔しいですけれど、まだまだ自分にはそのあたりの地力が足りなかったです。いい勉強になりました」

 USオープンでは悔しい結果となったが、平昌五輪の4位、その前のXゲームズ銀メダルと、16歳のシンデレラガールが見せた今季のめざましい活躍は決して褪(あ)せることはない。むしろこのUSオープンで課題が見えたことで、今後の彼女のさらなる飛躍への大きな布石になるだろう。本人も力を込めてこう語る。

「今シーズンは自分でもびっくりするくらいトントン拍子でした。でも、それに浮かれたり、平昌やUSオープンの悔しさを引きずっている場合ではないですね。次に向けて新しいことをどんどん身につけていかないと。4年後の北京はもちろん、USオープンやXゲームズは毎年ありますから。満足することなく、自分で限界を決めずにチャレンジしていきたいです」

 さて、このUSオープンをもって今季のスノーボードシーズンは、ほぼ終了したと言えるが、村瀬と岩渕の2人に関しては5月に開催されるXゲームズ・ノルウェーにも前出のジェイミー・アンダーソンやアンナ・ガッサーらとともに正式に召集されている。村瀬はこのUSオープンでの飛躍が、岩渕は今季全般を通してのパフォーマンスがそれぞれ認められた格好だ。

 13歳の村瀬心椛と16歳の岩渕麗楽。間違いなく、北京五輪へ向けたこれからの4年というのは彼女たちがサイクルの中心になってくるはずだし、このまま順調に成長曲線を描くことができれば金メダルも夢ではない。今後の女子スノーボード界を引っ張っていくであろう、才能と情熱にあふれた10代2人の今後から目が離せない。

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