平野歩夢のUSオープン優勝にみる、
日本がスノボ王国となる可能性

  • 徳原 海●文・写真 text&photo by Tokuhara Kai

 そんな片山は、2本目のランが実にすばらしかった。なかなか練習で立てていなかったというバックサイドダブルコーク1260で見事に着地に成功すると、最後はそこからのフロントサイドダブルコーク1260を抜群の高さでメイクし、目の肥えたアメリカのファンから大喝采を浴びる。86.75のハイスコアを叩き出し、五輪銅メダリストのスコッティ・ジェームズのポイントを上回った。

片山來夢はキャリア最高の滑りを大舞台で披露片山來夢はキャリア最高の滑りを大舞台で披露「メダル常連の歩夢、スコッティと自分が並ぶなんて、ちょっと信じられなかったです(笑)。Xゲームズ、五輪では思ったように点が伸びずに悔しい思いをしていたので、USオープンでこうやってしっかり自分の滑りが評価されて、しかも歩夢とワンツーが取れたというのは本当にうれしい。それに、歩夢がまだ上にいるというのが、これから先に向けてもいいモチベーションになります。来季は自分のしたいスノーボードをもっともっと突き詰めてトップを目指したいですね」

 男子ハーフパイプでの快挙に大きな注目が集まったが、実は女子ハーフパイプでも日本人ライダーが躍進を遂げた。平昌五輪では6位に入賞した松本遥奈だ。5位で迎えた3本目のファイナルランで、なんと大会では初めてルーティンに組み込んだというフロントサイド1080を鮮やかに成功させ、78.75ポイントをマークして逆転で3位をゲット。日本人女性ライダーとしては初のUSオープン表彰台となった。

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