2018.03.11

貴乃花親方のピンチを救えるのは、
復活した貴ノ岩の快進撃しかない

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 3月場所で大きく負け越すことになれば、2012年の夏場所以来となる幕下への陥落は確実だ。重圧のかかる場所になるが、貴ノ岩にはこれまでに培った猛稽古の貯金がある。初日の東十両13枚目の翔猿(とびざる)との一番を乗り切れば、幕内上位の実力を持つだけに一気に波に乗るだろう。

 弟子は正念場の土俵に向かうことになるが、師匠の貴乃花親方はそれ以上の”逆風”と戦うことになる。

 貴ノ岩の一件は、貴乃花親方が鳥取県警に被害届を出し、九州場所中のスポーツ新聞によるスクープ記事で表面化した。それ以来、テレビのワイドショーやニュース番組で毎日のように報じられる”大騒動”となったことは周知の通りだ。

 加害者の日馬富士は引退し、罰金50万円の略式命令で一応の決着を見たが、貴乃花親方と八角理事長(元横綱・北勝海)ら執行部との対立が白日のもとにさらされた。

 貴乃花親方は、巡業部長でありながら事件を協会に報告しなかった責任を問われて理事を解任された。初場所後の理事候補選挙では、自らが立ち上げた貴乃花一門で理事候補に選ばれず、阿武松親方(元関脇・益荒雄)が出馬。そんな中で強行出馬を決断したものの2票しか集められずに落選し、2010年から4期8年務めてきた理事の職を失うことになった。

 騒動中は沈黙を守っていた貴乃花親方だが、選挙から間もなくテレビ特番に出演して協会批判を展開した。そのテレビ出演に際し、必要な届け出が協会に提出されなかったことに親方衆が疑問を投げかけ、年寄総会で処分を求める声が相次いだ。