渡部暁斗、つぶれる覚悟で「ドイツ軍団」に突っ込んだ戦いに悔いなし

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 2月20日のノルディック複合ラージヒル個人で渡部暁斗(北野建設)は金メダルを狙ってジャンプ台に立っていた。

ラージヒル個人のクロスカントリーでゴール直後、疲れからか倒れ込んだ渡部暁斗ラージヒル個人のクロスカントリーでゴール直後、疲れからか倒れ込んだ渡部暁斗 遡ること6日。14日に行なわれたノーマルヒル個人では、ジャンプで3位、後半のクロスカントリーでは、2014年ソチ五輪のノーマルヒルでも優勝を争った、エリック・フィレンツェル(ドイツ)と再び競り合いながらも、ソチと同じ展開で敗れて銀メダルとなった。この結果を受けて、ラージヒルではなんとしても金メダル獲得を決意していたのだ。

 最初のジャンプは「ラージヒルになってからの練習ではあまりいいジャンプができていなかったのですが、今日はいいジャンプができた」と言うように、秒速0.3mの弱い向かい風の中でも134mを飛んでしっかりとトップに立った。

 しかし、139mを跳んだ ヤールマグヌス・リーベル(ノルウェー)や137.5mのウィルヘルム・デニフル(オーストリア)、136.5mのフィレンツェルは1.2m前後の強い向かい風の中で飛んでいた。

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