葛西紀明、平昌は「レジェンド鳥人」とならず。4年後は何が起きるか...

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 8回目の五輪出場という偉業を果たした葛西紀明(土屋ホーム)は、開会式前日に行なわれたノーマルヒル予選で、20位になって本戦進出を決めた後、こう話していた。

小林陵侑の所属チームでは監督も務める葛西紀明。大会中はチームメイトとして戦った小林陵侑の所属チームでは監督も務める葛西紀明。大会中はチームメイトとして戦った「昨日の公式練習の3本目のジャンプで少し自信を取り戻していました。やっぱり自信がないと不安も消えない。正直、まだ滑りが安定していないという不安や迷いは少しだけありますが、ようやくかみ合い始めてきたかなという感じですね」

 今シーズンはW杯開幕戦で31位、第2戦は予選落ちと悪い流れに陥り、最初のW杯遠征はノーポイントという苦しい滑り出しとなった。その後も、復帰した第5戦で10位に入ってやっとポイントを獲得したが、1月6日の第11戦までの6試合では、18位に一度なっただけで、ほかは40位台、予選落ちと結果を残せなかった。

 五輪代表が発表されたあとの第12戦では5位と、浮上のキッカケをつかんだかに思われたが、五輪前最後の試合は24位ともたついた。

 不調の原因は、8回目の五輪出場を意識し過ぎたためだった。葛西は「それが邪魔していたんですよね。昨シーズンはW杯でも後半になって、まあまあの成績が出たけど、若い選手も育ってきているから、そんなのは関係ない。自分が8回目の五輪に出られるか出られないか、選ばれるか選ばれないかが一番大きなプレッシャーになっていました」と振り返る。

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