過去全敗→2勝3敗。スマイルジャパンは
北京で「もっとうまくいく」

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by JMPA

 1-1で60分を終えると、それぞれ1選手を削って5対5で行なわれるサドンデスでの延長戦に突入。DF細山田茜(25歳、道路建設ペリグリン)の仕掛けで相手のペナルティを誘うと、63分16秒、床亜矢可(とこあやか/23歳、SEIBUプリンセスラビッツ)が見事なスラップショットを決めてスウェーデンを振り切った。

 中3日の日本に対し、スウェーデンは前日に準々決勝のフィンランド戦(7-2でフィンランドが勝利)を戦っていた日程の優位さがあったことは否定できない。だが欧州の格上チームからの勝利は、コリア戦に続く、歴史的一歩だったといえる。

 迎えた最終戦。予選ラウンド第2戦で1-3と敗れていたスイス戦でもリベンジが期待されたが、前回銅メダルチームの壁は厚く、ソチ五輪でMVPを獲得したGKフローレンス・シェリングの牙城を崩すことはできなかった。

 第1ピリオド3分19秒、日本が攻めに出た直後のカウンターから、FWエヴェリナ・ラセッリに抜け出され、GKとの1対1を確実に決められた。その後は今大会7ゴール3アシストと、ここまで最もポイントを挙げているアリナ・ミュラーら強力なFW陣を擁するスイスの攻撃をしのぎながら得点を狙いにいったが、4つあったパワープレーも生かせず、苦しい展開が続いた。

 スイスの14本を上回る20本のシュートを放ちながら、よりゴールの可能性を感じさせたのは相手の方だった。悔やまれるのはシュート数で7-1とスイスを圧倒した第2ピリオドだろう。床亜矢可のシュートがゴールマウスに嫌われるなど、チャンスもあったが、シュートの精度やパワー不足を露呈した。

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