すごいぞ、日本女子カーリング。
「過去最高」を超えて、さらに上へ!

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro
  • photo by Kishimoto Tsutomu/JMPA

 しかし、アメリカ、デンマークの2チームは、日本以上にアイスリーディング(※アイスの状態を読むこと)に時間を要した。その結果、それぞれ大きなミスも出て、日本は白星を拾う。

 苦労しつつも連勝発進した日本は、3戦目あたりからショットがつながり始め、ここまで7勝1敗で首位を快走する地元・韓国に唯一の黒星をつける。

 4勝1敗で迎えたカナダ戦では、その前日に運営サイドが石を研磨(けんま)した関係で、ストーンの曲がり幅がつかめずに大敗を喫した。選手からは「違う石を投げているみたい」「パニックに陥った」との声が上がった。だが、日本の快挙達成は、実はここがターニングポイントだった。

 石の研磨については賛否両論あるが、それを別にしても、パニックに陥った試合の相手がカナダだったことが、日本にとっては結果的にうまく働いたからだ。

 選手たちには失礼な言い方になってしまうが、カナダは日本が万全な状態で対戦しても、5回やって1度勝てるかどうか、という強豪だ。今大会こそ、多くのチーム同様、アイスの読みに時間がかかってラウンドロビン敗退となってしまったが、もともと白星を勘定できる相手ではなかった。

 1敗は1敗。言葉は悪いが、それを「石のせい」にできる敗戦ではあった。その日の夜に行なわれたスウェーデン戦には、しっかり気持ちを切り替えて臨むことができた。滑りにくくなった氷にアジャストしながら、接戦の末、最後はスティール(※先攻のチームが点を取ること)で勝ち切って、五輪初の勝ち越しを決めた。

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