小平奈緒、超人的な36秒台と
「人徳」で金メダルよりもキラキラ輝く

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 小平の次の組で郷亜里沙(イヨテツク)と滑ったイ・サンファは、最初の100mを10秒20で通過して100mが速いという特質を存分に生かした。だが、最後の直線後半では明らかにバテた滑りになってしまい、記録は37秒33にとどまる。結局、イ・サンファが2位、3位にはエルバノワが37秒34で入った。

 小平にとって初の五輪金メダルの表彰台は、初めて誘われて韓国に遊びに行った2007年から親交を深めてきた友人であるイ・サンファと、オランダでの2年間をチームメイトとして過ごしたエルバノワに囲まれて、記録的な偉業をふたりにも祝福されるかたちとなった。

 それもまた、長い間努力を惜しまずに続けてきた、小平という人間の人徳なのかもしれないと思うと微笑ましかった。

◆番記者は見た。羽生結弦、ケガしたからこそ勝つ「金メダルへの執念」

◆カーリング日本女子が快進撃。厄介なアイスに負けずメダルに突き進む>>

■平昌五輪 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る