2018.02.14

楽しめた高梨沙羅。「ソチの時より
今の顔の方が好き」と言われ笑顔

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA

 だが、4年前を振り返ってみれば、ソチ五輪の失敗の大きな要因は、好調なシーズンインをしながらも調子の波が下がり気味になったところで本番を迎えてしまったことだ。それを考えれば、今季はその乗り切れない滑り出しを逆に吉兆と考え、平昌五輪に向けて徐々に調子を上げていこうと切り替えたのだった。

 さらにマーレン・ルンビ(ノルウェー)とカタリナ・アルトハウス(ドイツ)が一気に力を伸ばしてきたことで戦う楽しさ、挑戦する楽しさを再び取り戻すことができた。

 そのせいもあるのか、平昌入りしてからの高梨は表情も穏やかで生き生きとしていた。練習後には、現地ボランティアのツーショット写真のリクエストにも気軽に応えられるほど、気持ちに余裕を持てているようだった。

 高梨も「それは山田いずみコーチからも『ソチの時の顔より、私は今の顔の方が好きだよ』と言われました」とうれしそうに言う。そこで「韓国のメディアでは"美女鳥"と言われて人気になっているそうだけど」と振ってみると、「いえいえ、それとは違うと思います」と、はにかむ。

「ソチからの4年間はいろんなことがあったけど、あの時の悔しさは自分をぶつけることができた(今回の)2本のジャンプで跳ね返せたと思います。今こうして銅メダルで終わったというのは、自分がまだ金メダルを獲る器ではないということなので......。また新たな目標ができたし、2022年の北京五輪では今度こそ金メダルを獲れるように、この4年間の中で試行錯誤したものを、このあともつなげられるようにしたい」

 ソチは試合に飲み込まれてしまったところがあったが、今回は自分の足で試合会場に来て、自分を信じて飛べたという高梨。自分だけの背中に重圧がのしかかる状態ではなく、強いライバルがふたりもいる状況で純粋に試合を楽しめたともいう。