スマイルジャパン、初戦惜敗も怒涛のチャージで韓国人ファンを魅了 (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by JMPA

 悔やまれるのは1失点目の開始直後という時間帯と、ミスからの2失点目だ。

 立ち上がり早々、まだエンジンのかかり切っていなかった日本は、第1ピリオド2分21秒、細かいパス交換からファニー・ラスクに先制弾を決められてしまった。

 左サイドの角度のない位置からGK藤本那奈(28歳、ボルテックス札幌)の右肩口を抜いた強烈なシュート自体は、打った相手を褒めるしかない。だが、日本としては失った時間が悪かった。

 その後は何度かGK藤本の好セーブもあり、互角以上の戦いを見せていた日本。しかし、1-1の同点で迎えた第3ピリオド1分53秒、DF鈴木世奈(26歳、SEIBUプリンセスラビッツ)の最終ラインでの横パスを引っかけられ、そこから最後はサラ・イヤルマルションに2点目を許してしまう。

 日本とすれば第2ピリオド終盤に同点に追いつき、勝ち越しを狙って迎えた第3ピリオド序盤だっただけに、まさに痛恨の失点となってしまった。鈴木としては、「自陣からでもなんとかパックをつないで攻撃に」という思いがあったのだろうが、相手のプレッシャーもあるなか、左サイドから右サイドへ展開するパスはいかにも中途半端だった。

 最終的には敗れたが、立ち上がりと第2ピリオド序盤の約10分間を除けば、主導権を握っていたのは日本だ。

 特に第2ピリオド16分52秒に浮田留衣(21歳、ダイシン)の同点弾が生まれるまでの数分間は、DF床亜矢可(とこあやか/23歳、SEIBUプリンセスラビッツ)と鈴木が遠目から立て続けに強烈なシュートを放ったほか、FW床秦留可(とこはるか/20歳、SEIBUプリンセスラビッツ)が得意のゴール裏から仕掛けるなど、スウェーデンを圧倒した。

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