スマイルジャパン、初戦惜敗も怒涛のチャージで韓国人ファンを魅了

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by JMPA

 悲願の初勝利は、またもお預けとなった。

 世界ランキング9位の女子アイスホッケー日本代表、通称スマイルジャパンは、10日、平昌五輪の初戦に臨み、同5位のスウェーデンに1-2と敗れた。

 スマイルジャパンにとっては今回が3度目の五輪。過去の2大会(1998年長野、2014年ソチ)ではいずれも5戦全敗に終わっており、これで五輪の連続未勝利は11試合にまで伸びてしまった。

 スウェーデンには前回ソチ大会の初戦でも0-1と敗れている。結果だけを見れば、またかと思われても仕方がない。予選ラウンド突破に向けて弾みをつける意味でもこの初戦が大事であり、チームもここに照準を合わせていたことは確かである。だが、同じ点差、同じ敗戦でも、その内容は4年前とは大きく異なり、2戦目以降に十分な可能性を感じさせる惜敗だった。

スウェーデン戦で再三のピンチを防いだGK藤本那奈スウェーデン戦で再三のピンチを防いだGK藤本那奈 シュート数では31対26とスウェーデンを5本上回り、犯したペナルティの数でも日本の1に対し、スウェーデンは4だった。この数字からも、日本がどれほどスウェーデンに食い下がったかがわかる。

 平均体重で約10キロも重いと思われる大柄なスウェーデンに対し、体を張ることを厭わず、逃げずに懸命に戦ったスマイルジャパン。この日、会場となった関東ホッケーセンターは、アイス競技の会場が集まる江陵オリンピックパークからは外れた立地だが、それでも、集まった3762人の観衆が大いに盛り上がったのは、日本の戦いぶりが深く関係していたに違いない。

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