渡部暁斗「金メダルを獲ってもレースがつまらなかったら意味がない」 (5ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 五十嵐和博(人物)、赤木真二(競技)●写真

 ハイレベルな戦いで、最後の最後までハラハラドキドキするレースを見せられるかですよね。そういうレースを見せたうえで金メダルを獲ってこそ、価値があると思います。平昌ではそれを普通にやってのけて、金メダルを獲って通過したいですね。それで試合のあとに、『何か、ジャンプがよくなかったんですよね』とか言ってみたいです(笑)」

 自分自身で映像を見て「カッコいい」と思えるジャンプを飛んで、クロスカントリー選手のように滑り、コンバインドという枠を超える戦いをしたい。それをするためには、オリンピックだから......ではなく、すべての試合に全力で取り組むべきだと渡部は説く。

 見ている人全員がおもしろいと興奮するレースをW杯や五輪、世界選手権のように大きな大会でなくてもいいから、場所や規模を問わずにやってみたいという。

 そんなモチベーションを持ち続けながら臨む渡部は、ノルディックコンバインドという競技で、これからも世界のトップ選手として輝き続ける。

(おわり)

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