強いぞ、スマイルジャパン。「強豪に全勝」の力は五輪でも炸裂するか (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao 築田純●撮影 photo by Tsukida Jun

 山中武司監督も「4戦それぞれが違った展開だったが、いろいろな形で勝てたのがよかった」とし、とくに守備に手応えを感じたようだ。

「チェコ戦についていえば、1試合目が失点ゼロで、2試合目の失点もウチが2人ペナルティを出していた状況だった。まだ得点チャンスで決め切れていないのは課題だが、前線からのフォアチェックにFWのバックチェック、DFが下がりすぎず高めで守ることなど、守備は完成されつつある。オフェンスゾーンで不用意なペナルティを犯したことは褒められないが、本番に向けてはいい反省材料になった」

 壮行試合でドイツとチェコに連勝したスマイルジャパンは、はたして平昌五輪でどこまで戦えるのか。

 前回ソチ五輪は5戦全敗。スマイルジャパンは過去2度の五輪出場でまだ1勝もできていない。昨年12月にフィンランドで臨んだ5カ国対抗戦では、いずれもランキング上位のフィンランド(3位)、ロシア(4位)、スウェーデン(5位)、ドイツに4連敗を喫している。

 平昌の1次リーグではスウェーデン、スイス(6位)、韓国(22位)と北朝鮮の合同チームと準々決勝進出の2枠を争うことになるが、決して楽な戦いではない。ちなみに、初戦で対戦するスウェーデンとは、ソチでは0-1、昨年12月には延長の末1-2で敗れている。

 それでも、選手から聞こえてくる声はポジティブなものばかりだ。

「ソチのときは点差は1点でしたが、そのほとんどはディフェンスゾーンで守ってばかりでした。12月の負けも1点差でしたが、チャンスの数では日本の方が多いくらいでした。同じ負けでも、内容は全然違います」(FW足立友里恵/32歳、SEIBUプリンセスラビッツ)

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