素顔のアイスホッケー娘たちを、平昌に8名を送り出す指導者が語る (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

「格上を相手にはそれほど多くの得点を望めないことを考えれば、やはり守備が大事になるでしょう。まずはロースコアの展開に持ち込み、そのなかで日本人のよさであるすばしっこさや粘り、統制の取れた動きを強みに戦う。反則を誘うなどしてパワープレー(数的優位)の状態を少しでも多く作ることも必要ですし、大柄な相手に正攻法で挑むのではなく、賢い戦い方が必要になってきます。

 それと不可欠なのは勢い。アイスホッケーではちょっとしたきっかけで、流れが大きく変わることもあります。昨年12月の5カ国対抗ではフィンランド、ドイツ、ロシア、スウェーデンに4戦全敗でしたが、ロシアやスウェーデンを相手に勝ってもおかしくない戦いをしていました。その意味でも、ドイツ(1月24日、26日)とチェコ(28日、30日)との壮行試合で、波に乗るような戦いができるかどうかがポイントになってくると思います」

――5戦全敗に終わった4年前に比べると、期待する声は多いです。

「力的には着実に向上しているのは間違いないです。ただ、レベルが上がっているのは海外のチームも同じですから。グループリーグで対戦するスウェーデンやスイスと比べて、日本の実力が上とは言い切れない現実があります。

 ただし、決勝トーナメント進出の可能性は、五分五分とは言いませんが、それに近いところまできていると思います。現状は30%か40%くらいでしょうか。その確率をどこまで本番までに高められるか。とにかく初戦のスウェーデン戦(2月10日)が大事です。

 12月の対戦では、延長で1-2と負けていますが、日本にもチャンスはありましたから。第3戦の韓国は勝利が保証されているわけではありませんが、きちっと戦えば勝ち切ることができる相手だと思います。だからこそ、スウェーデンかスイスに勝つか、星の食い合いになった場合に備えて、負けるにしてもエキストラピリオド(延長戦)まで持ち込めるかが重要になってきます」

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