45歳の葛西紀明、W杯で失速ジャンプ続きでも「余裕の表情」なわけ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

ジャンプ界の第一線で飛び続ける葛西紀明ジャンプ界の第一線で飛び続ける葛西紀明 11月24日に行なわれたワールドカップ第2戦のルカ大会、ラージヒル個人の予選で、葛西紀明(土屋ホーム)は、82mという大失速のジャンプで64位に終わり、上位50名が進める本戦への出場を逃した。競技後の葛西の第一声は、「何よ、この台は!」だった。

 その予選に先立ち、午後3時半過ぎから行なわれたノルディックコンバインド(複合)個人ラージヒル5kmのジャンプは、秒速0.63mの追い風から1.39mの向かい風にクルクル変わるだけではなく、ウインドファクターには現れない巻いた風も吹く荒れた展開だった。

 そのあとで始まったジャンプの公式練習2本を飛んでからの予選も、同じような条件が続く。前戦のポーランド・ヴィスワ大会では2本目のジャンプに進めなかった葛西は、ルカの荒れた条件に不安を抱いていた。

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