五輪メダルに必須。ボルダリング女王・
野口啓代が取り組む「スピード」

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro photo by IFSC/Eddie Fowke co-operated by UNDERGROUND


 スピードの世界記録は男女とも今シーズン新たに塗り替えられ、女子がロシアのユリア・カプリナの7秒32、男子がイランのレザ・アリポワの5秒48と、目覚ましい進化を遂げている。

 もちろん、3種目の複合成績で争う東京五輪で、スピードの世界記録を狙う必要はないものの、スピードで速いタイムを出せた方がメダルに近づくことになる。

「私はリードでもボルダリングでも素早く登っていくのが得意ではない。なので、スピードで速いタイムが出せるようになれば、きっとリードやボルダリングにも好影響をもたらすと思っています。この冬から本格的にスピードの練習が始まるのを楽しみにしています」

 日本山岳・スポーツクライミング協会は、スピード種目の強化プロジェクトとして各選手のベストタイムを基にした「スピード日本ランキング制度」の導入を決めている。これは来年に開催される複合種目に派遣する日本代表の選考材料になる。記録会の第1回は11月18日に行なわれ、年内は12月16日までの毎週土曜日と、12月25日(月)に昭島にて開催。タイム測定の記録会と併せて練習会も実施され、見学は自由にできる。

「スピードのトレーニングをすることで、いまよりもっとクライミングが強くなれる可能性を感じている」と語る野口をはじめ、日本全国のスポーツクライマーがスピード種目でどう成長を遂げていくのか注目してもらいたい。

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