五輪メダルに必須。ボルダリング女王・野口啓代が取り組む「スピード」 (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro photo by IFSC/Eddie Fowke co-operated by UNDERGROUND

今後の抱負、スケジュールを話してくれた野口 photo by Sano Miki今後の抱負、スケジュールを話してくれた野口 photo by Sano Miki スピードは専用の人工壁に国際規格で決められたホールドでつくられた高度15mの統一課題をどれだけ速く登れたかで競う。予選は左右横並びの2レーンを、それぞれ1回ずつ登り、持ちタイム上位16名が決勝トーナメントに進む。決勝トーナメントは予選1位と16位、2位と15位という順で対戦し、速くゴールにタッチした選手が次のラウンドに進出する。

 日本は昔から盛んなリードと、ジムの普及で競技力が格段に向上したボルダリングで世界トップクラスにあるが、スピードはこれまで国内に国際規格を満たすスピード専用人工壁がなかったこともあって、世界から大きく後れをとってきた。

 しかし、昨年11月に初めてIFSC(国際スポーツクライミング連盟)規格のスピード専用人工壁が岐阜につくられた。首都圏でも今年3月に東京・昭島に専用人工壁が誕生するなど、練習環境は整いつつあることで、今後は競技力の向上が期待されている。

「まずは、ホールドの位置を体に染み込ませるところからですね。アジア選手権で競ったスピードの選手たちは、これまで何百、何千回とスピードの課題を登り込んでいるので、ホールドが体に染み込んでいましたが、私はまだ手順が自動化していないし、足元のホールドを確認しながら登っていくレベルなので。

 スピードは体の動きを自動化させて、高い集中力でミスなく登ることが求められるので、ホールドを見ないでも登れるようになった時に、初めてタイムを意識すればいいと思っています」

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