バドミントン世界女王・奥原希望が、
東京でメダリストになるために

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 写真●新華社/アフロ

 しかし、優勝したとはいえ、今回は世界ランキング1位のタイ・ツーイン(台湾)が地元開催のユニバーシアードを出場のために欠場したことも含め、奥原は「まだ本当に強い選手全員が揃っていたわけではないから」と口にした。また、今回は最初から優勝を狙っていたわけではないことも念頭に置いてこう言う。

「怖さを持たない自信はすごく大事なものだと思いますが、その自信をつけるためには前段階からの準備が必要だと思います。今回はいい意味で楽に臨めたんですが、もっともっとプレッシャーがかかる、自分が勝ちたいと思う大会で結果を残せるかどうかが、五輪で結果を出すためには大事になってくると思います」

 試合後に奥原は「まだまだできていないことが多いし、世界ランキング1位にもなっていないから」と話していた。そんな彼女が東京五輪へ向けて目指しているのは、女子レスリングの吉田沙保里や伊調馨のような「勝って当たり前。負けて驚かれる」ような選手になることだという。世界ランキング1位も、そうなるためのひとつの要素である。

「ゴールはここではないので。東京五輪まで走り続けたい。どんどん進化し続けたい」という決意は、世界選手権を制したことでますます強くなったようだ。

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