バドミントン世界女王・奥原希望が、東京でメダリストになるために (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 写真●新華社/アフロ

 157cmと小柄な体を目一杯使ってプレーする奥原。昨年のリオ五輪のあとは、肩痛に悩まされた。9月のジャパンオープン後はリハビリをしながらスーパーシリーズ出場を目指したが、欠場する試合も多く、出場しても1回戦途中棄権となったこともある。

 結局、12月の全日本総合選手権の2回戦で途中棄権したあとは、1カ月間ラケットを持たずにリハビリに専念した。2度にわたる膝の故障から立ち直り、五輪の銅メダルまで到達した奥原。再び肩を痛めたことで「何でこうなるんだろう」と落ち込んだこともあった。だが、そのおかげで自分をコントロールできるようになり、試合でも余裕を持ったプレーができるようになったという。

 復帰後も焦りはなかった。そして、6月のオーストラリアオープン決勝で、山口茜(再春館製薬所)を下し、1年3カ月ぶりのスーパーシリーズ制覇を果たして復活となった。

 ただ、世界選手権へ向けて順調というわけではなかった。7月中旬に右ふくらはぎを痛めてしまい、コート全面を使う練習ができたのはグラスゴー入りしてからのこと。今大会は「試合ができるのかな?」と不安を抱えての挑戦で、とりあえず、今の自分ができることをやろうという気持ちで試合に臨んでいた。

 第7シードの奥原の初戦は2回戦からだったが、世界ランキング52位のレイチェル・ホンデリッチ(カナダ)との対戦は、第2ゲームを取られてファイナルにもつれ込む試合となった。

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