レジェンド葛西を超えて。日本男子ジャンプには「小林兄弟」がいる! (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文・写真 text&photo by Oriyama Toshimi

 世界と戦うためには1回だけの優勝で終わらせてはいけないという意識で臨んだ27日の第2戦。試合は前日の追い風とは違って、向かい風基調で条件がクルクル変わる難しい戦いとなった。

 1本目で大ジャンプを見せたのは、2日前の公式練習から6本目にしてやっと強い秒速1.08mの向かい風をもらった陵侑だ。この日の最長不倒距離となる134.5mを飛んでトップに立った。兄の潤志郎も風向きが目まぐるしく変わるなか、130mを飛んで陵侑に9.3点差の2位につけた。

 他の日本勢は軒並み風の悪い条件に当たってしまい、竹内拓(北野建設)は16位、伊東大貴(雪印メグミルク)は23位。葛西紀明(土屋ホーム)は28位と厳しい状況。ふたりの調子のよさもあり、小林兄弟のワンツーへの期待が高まった。

 2本目には葛西が129.5m、竹内が131mで会場を沸かせるなか、まず潤志郎が2本目の平均風速を大きく下回る秒速0.28mの向かい風の中で126.5mまで飛距離を伸ばし、合計244.8点でトップに立つ。最終ジャンパーだった陵侑は、それより弱い0.18mの向かい風で120mという結果となったが、それでも1本目の貯金を生かして合計を241.5点とし、兄弟ワンツーを決めた。

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