「大鵬の孫で貴闘力の息子」が、努力も惜しまず高校横綱の称号に挑む (4ページ目)

  • Text & photo by Sportiva

 そんな納谷について、山田監督は「相撲の強さは発展途上です。でも、自分を追い込むことができる素質、努力を惜しまない姿勢は、やはり血筋と言えると思います」と賞賛。一時は、"大鵬の孫、貴闘力の息子"という血筋が重荷に感じられたこともあったという納谷だが、自分の相撲に自信をつけたことで、「今では考えないようになりました」と明かす。

 大関・豪栄道ら、数多くの関取を育ててきた山田監督から見ても「群を抜いている」というひたむきな姿勢は、祖父から教わった。人の何倍もの汗を流し、現役時代に"天才"と評された大鵬からは、常に「なんでも一生懸命にやりなさい」と言い聞かされてきたという。そんな祖父の言葉通りに鍛錬を積み、かつて60kgが限界だったベンチプレスは、現在160kgまで上がるようになった。体脂肪率も30パーセント台にまで下がり、肥満児だった面影はまったくない。

 名実共に角界注目の力士になった納谷は、卒業後にプロへ進むことを明言している。相撲を始めた頃から、祖父や父の取り組みをビデオで何度も見てきた納谷にとって、角界入りは抱き続けてきた夢。その入り口に立つ納谷が、祖父から教えられた"一生懸命"の言葉を胸に、高校横綱の称号をかけた大舞台に挑む。

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