「大鵬の孫で貴闘力の息子」が、努力も惜しまず高校横綱の称号に挑む (3ページ目)

  • Text & photo by Sportiva

 部員全員が入る寮では、山田監督自らが朝と晩のちゃんこの調理を指揮する。それまでは好きなものを好きなだけ口にしていた食生活が、野菜も豊富に摂れるバランスのいい食事に変わった。それに加えて、夜のランニングなど自主的にトレーングを行なった結果、1年はかかったものの、まったくついていけなかった稽古をこなせるようになった。

 その1年間で「強くなったことを実感できた」と語る納谷だが、3年生に上がって初めて出場した「全国中学相撲選手権」では予選落ちに終わり、全国レベルの大会で結果を残すことはできなかった。しかし、そこで腐らずに稽古に励み続けたことで、高校進学後に才能が開花する。

 1年生の8月には、青森県十和田市で行なわれる「十和田大会」のメンバーに選ばれた。山田監督の「前に出れば勝てる。足を出して体を使って、とにかく前に出ろ」という教えを守り、「その相撲で何番か勝てたので、全国でも勝てるって思った」と自信をつけた。その後も得意の突き押しを磨き、2年生で出場した「全国高校相撲選抜大会」(高知)の新人戦で準優勝。そして今年3月、同大会の個人無差別級で優勝し、初の個人タイトルを獲得した。

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