【月刊・白鵬】横綱が分析する「天才棋士」藤井聡太四段の強さ (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 そうして稽古場が整えられて、本格的な稽古を始めたのは番付発表(6月26日)のあとでした。今年は早い時間から、稽古を見学するファンの方々が大勢いらしてくださいました。

 名古屋宿舎の場合、見学のマナーを守っていただければ、基本的には規制をしたりすることはありません。連日、土俵の周りに三重、四重にも広がったファンの方々の輪ができていましたね。強烈な日差しが照りつける日も多かったのですが、そんななか、ファンのみなさんは真剣な表情で稽古を見入っていました。われわれ力士としては、一層気合いが入りました。

 春場所(3月場所)から、ウチの部屋にも数名の新弟子が入ってきました。力士の数が増えて、稽古場の活気も高まっていることは、本当にうれしい限りです。

炎鵬(手前)に胸を出して稽古をつける白鵬炎鵬(手前)に胸を出して稽古をつける白鵬 また、先の夏場所(5月場所)で序ノ口優勝を飾って、今場所は序二段に上がった話題の炎鵬の存在で、三段目、幕下の兄弟子たちも「炎鵬には負けたくない!」という気持ちが強くなっているようです。その分、力士みんなの気迫がみなぎっていて、稽古場の雰囲気は一段と"熱さ"が増している気がしますね。

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