スポーツ心理学者が解明する「アスリートの暴言」問題と、その防止法 (3ページ目)

  • 大地功一●取材・構成 text& by Oochi Koichi
  • photo by Fujita Masato

 ラグビー日本代表で外国人選手や国籍が話題になることがありますけど、日本のラグビーのために、という目的を持って集まった選手たちですから、そういったことは関係ありません。

 見かけ、肌の色、言葉の違いがあっても、いいプレーをしようという強化目的が同じであれば、そこに焦点を当てていきますし、コミュニケーションを取ろうとするでしょう。ラグビーでは日本で生まれ育った、日本人らしい見かけの人が日本代表になるのが当たり前とされてきたなかで、1980年代から外国人選手が日本国籍を取ってプレーするようになりました。(日本国籍がなくても)3年以上、日本に滞在するなど代表の条件をクリアすれば選考基準に乗ります。

 そこで必要になるのは、チームにコミットしようとする選手に対する感謝の気持ちだと思います。やっぱり理解し合おうと、お互いが思わないと、なかなか解決できない課題ですし、どちらかがどちらかを受け入れるという感覚では何も変わらない。上から目線で「ここは俺たちの国だから、お前らを受け入れてあげる」という姿勢ではうまくいかないし、反対に外国人選手からしたら、「なんで俺らが受け入れられないのか」となるでしょう。

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