ツール・ド・フランス開幕。
不安の残る王者フルームを襲う3人の刺客

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by AFLO

 2018年からツール・ド・フランスを含む3大大会(残りはジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャ)は、1チームの編成が1名減の8選手となる。これは、チーム・スカイのように完璧な守りでエースを最終日まで逃げ切らせようという戦略を打破することが狙い。アシストがひとり少なくなることで、ライバル選手や相手チームの動きを封じ込めることができず、ドラマチックな逆転劇が演じられるだろうという主催者側の皮算用だ。逆に言えば、それだけチーム・スカイのチーム態勢は堅いということだろう。

 ケニア・ナイロビで生まれ、南アフリカのチームでデビュー。アシスト生活を経てエースになったフルームは現在32歳。「2017年にまずは4勝目。そしてさらに1勝して、ツール・ド・フランス最多勝記録の5勝に並びたい」。過去4人の最多タイトルホルダーは30~31歳で5勝目を達成している。フルームに残されたチャンスはそれほど多くない。今年は確実に勝っておきたいレースだと感じているのは間違いないだろう。

 フルームのライバルは、コロンビアのナイロ・キンタナ(モビスター・チーム)、スペインのアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)、イタリアのファビオ・アル(アスタナ・プロチーム)だ。

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