2017.06.02

兄弟子の逆転優勝に号泣していた
新大関・髙安。次は自分が賜杯を抱く

  • text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 2010年の九州場所で新十両に昇進した際、先代の師匠は化粧回しのデザインに無声映画時代からの「喜劇王」チャールズ・チャップリンの映画の1シーンを選んだ。その理由について、「チャップリンは、言葉がなくとも世界中の多くの人を感動させた。髙安も土俵での姿、立ち居振る舞いだけでお客さんの気持ちを引きつける力士になってもらいたい」と明かしていた。

 それから6年以上の年月を経た現在、右からの強烈なかち上げで相手をはじき飛ばす立ち合いは、ひと目見ただけで観客に感動を与える武器となった。大相撲の看板を背負う立場になったことで、さらに技を磨いていく必要はあるが、「中途半端な覚悟では取れない地位。模範になるような堂々とした大関になりたい」と自覚は十分。何より、大関の地位に満足せずに精進を続け、横綱に上り詰めた稀勢の里が気を引き締めてくれる。

 大関になっても、しこ名は本名の「髙安」のまま。同部屋に在籍する日本出身の横綱と大関が同時に番付に位置するのは、2000年夏場所の二子山部屋の横綱・貴乃花と大関・貴ノ浪以来、17年ぶりとなる。今年は3場所を終えた時点で髙安の34勝がトップ。2位は稀勢の里の33勝で、「キセ・タカ」の兄弟弟子での年間最多勝争いも見どころになる。稀勢の里の背中を追い、横綱に挑むストーリーが7月の名古屋から始まる。

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