モンゴル勢力士の逆襲なるか。稀勢の里との対決では彼らにも拍手を (4ページ目)

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 さらに言えば、2010年の野球賭博事件、翌年の八百長メール問題で場所の開催が中止になるなど、大相撲の屋台骨が崩れそうになった危機を支えたのは、「一人横綱」として土俵をけん引した白鵬だった。

 特に2010年には、土俵外のスキャンダルが世間を騒がせる中、双葉山の69連勝に次ぐ63連勝を達成。当時の放駒(はなれごま)理事長(元大関・魁傑)は「白鵬がいなかったら大相撲はもたなかった。白鵬が頑張ってくれたから、ファンが土俵に興味を持ってくれた」と絶賛。また、東日本大震災の被災地慰問で横綱土俵入りを披露したり、力士会会長として十両以上の全関取に寄付を呼びかけ、土俵を寄贈したりするなど心を尽くしてくれた。

 稀勢の里フィーバーに沸く大相撲だが、白鵬をはじめ、モンゴル勢を含む外国人力士の精進努力を忘れてはならない。素晴らしい相撲を見たい気持ちはすべてのファンが持っている。そのためにも、各力士が背負っているバックボーンに思いを馳せて土俵に拍手を注ぎたい。そのひとつひとつが、白熱の一番につながるはずだ。

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