日本勢を退けボルダリングW杯優勝の18歳美少女、ヤーニャに迫る (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro  清水 恵子●通訳 interpreter by SHIMIZU KEIKO
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

体は華奢だがダイナミックなクライミングを見せたヤーニャ体は華奢だがダイナミックなクライミングを見せたヤーニャ
「決勝戦の2課題目は、最初のトライのときはTOPホールドを取るムーブを起こす前から、これだと距離が足りないって疑っていた。だから、1回試して失敗したことで、2回目のムーブは自信がついたの。1課題目と4課題目は登る前からイメージしていた通りに登ったんだけど、3課題目は何も考えずにやったら、ただできちゃっただけ(笑)」

 笑顔を弾けさせながら語るヤーニャの体格は、ほかの外国人の有力ボルダラーに比べると華奢(きゃしゃ)だ。肩周りから上腕にかけては、ボルダリングを趣味で楽しむ一般女性と大差ないように見える。

 彼女の登りの特長は、瞬発力やパワーが求められる課題でも、猫が日常のなかで力感なく塀にヒョイと飛び乗るような感じでこなしてしまうところだ。まるで苦手なムーブなどないと思わせる。

「猫みたいだなんて言われたのは初めてだけど、すごく嬉しい! 苦手なムーブはもちろんあります。スラブ(緩やかな面)やバランス系は得意だけど、コーディネーション系(俗に運動神経といわれている能力)やランジ(飛びつき)は、1回で決められないことがある。ただ、そういったムーブも何回かやれば必ずできるの。

 登るときに一番大事にしているのは集中すること。メンタルをコントロールして、課題にフォーカスすれば自然とほとんどのムーブは解決できるの。今日はセミファイナルで全部の課題をうまく登れたから、決勝戦は自信を持って臨めたし、すごく集中できていた。だから、優勝できたんだと思うわ」

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