稀勢の里と貴乃花。2人の奇跡に通じる
「ファンへの想いと土俵の鬼」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 師匠自身も、現役時代に糖尿病に苦しみ、インスリンを打ちながら場所を務めていた過去がある。何度も休場の危機に立たされたが、それでも懸命に土俵を務めて横綱まで昇りつめた。後年、稀勢の里は2008年の秋場所を「絶対に出るのは無理だと思った。でも師匠から言われて出ると、動ける自分がいた。あの時の教えは正しかったと思います」と振り返っている。

 誰もが休場すると思っていた春場所。ただ、稀勢の里本人だけは、休むことなど頭の片隅にも浮かばなかった。その決断の裏には、今は亡き先代の教えがあったのだ。
  

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