五輪メダルを狙うスノーボードで、男子トップ3人が描く平昌への戦略 (5ページ目)

  • 徳原 海●取材・写真・文 text&photo by Tokuhara Kai
  • photo by BURTON(競技)

 結果は5位。惜しくも表彰台は逃したが、特に決勝2本目で見せた完璧なルーティンと高さは目の肥えたアメリカの観衆から喝采を浴び、彼自身も大きなガッツポーズでそれに応えた。そのパフォーマンスの高さに、現地の専門メディアからも「採点がからい」という声がしきりに聞こえたほどだ。

平野、平岡に負けない攻めのライディングが魅力の片山來夢平野、平岡に負けない攻めのライディングが魅力の片山來夢「去年は予選で2位でしたけど、決勝では自分らしさを発揮できなくて。その時に比べて今回はすごく冷静ですね。予選も自分だったら決勝に行けるのは当然くらいに思って滑ることができました。平昌は、出場に関して不安はないですけが、優勝するには今のままでは足りないなと。そこに向けてこれからの1年、死にものぐるいで頑張ります。歩夢と卓を尊敬しつつも負けたくないと思いながらやってきて、ようやくこの位置に立てました。ここからが本当の勝負だと思うので、常に上のレベルを目指して日々攻めたいですね」

平野、平岡、そして片山。この3人こそが今日本のスノーボード・ハーフパイプシーンを牽引するトップ3であり、同時に世界においては間違いなくトップ10にカテゴライズされる実力者たちである。

 しかしながら、彼らが思い思いのスタンスでUSオープンを戦った裏で、30歳になった王者ショーン・ホワイトは相も変わらずの勝負強さを発揮し、連覇を果たした。まだまだ上には上がいる。3人が本当の意味でワールドクラスのアスリートに辿りつくために、2017年は非常に大切な1年になるだろう。平昌へ向けた彼らの戦いをじっくり見守るとともに、ここからは選手たちがよりフェアな状況で五輪を目指せる環境が用意されることも同時に願いたい。

大会結果の詳細はこちら
BurtonUSopen.com

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る