ミックスダブルスで日本一。カーリング界のカリスマが見せた格の違い (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

「プレッシャーのかかる舞台での経験は、私たちのほうがある」

 小笠原のその言葉が、すべてを物語っているのではないだろうか。日本選手権のような注目度の高い中での戦い方や、長丁場でのピーキングについては、阿部&小笠原ペアのほうが明らかに長けていた。

 慣れないミックスダブルスの戦術や、刻一刻と変化するアイスにも、予選リーグ、準決勝と8試合をこなす中でアジャストし、決勝にきっちり照準を合わせてきた。同時に、一度敗れた相手に対しても有効な対策を練って、それを実践して頂点に立った。

 まさに阿部&小笠原ペアの、経験や技術、思考力といった総合力、"カーリングIQ"とも呼べる能力を改めて示した優勝と言えるだろう。

 阿部&小笠原ペアは今後、『チームJAPAN』として4月22日からカナダ・レスブリッジで開催される世界選手権に挑む。

 大会には、39カ国が出場。まずはベスト16入りを決める、8チーム、あるいは7チームによる予選リーグ突破(グループ3位以内)が必須となるが、日本の入ったグループAはそれほど難しい組み合わせではない。フィンランド、ハンガリーなどの中堅国はいるものの、比較的戦いやすい相手が多いのではないだろうか。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る