レジェンド鳥人・葛西紀明と
男子ジャンプ陣は平昌までに復調できるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Newspix24/AFLO

 ソチ五輪後からここまでの3年間、対外的な付き合いや仕事もあって、毎年春から夏にかけてトレーニング不足だった現実はある。葛西も「それが直接の要因ではないと思いますが、やっぱり成績が出ないと『練習不足だったな』と考えてしまうし、不安になることもある。練習をしっかりやればその分自信にもなるので、練習も必要だと思う」と、次のオフシーズンへ向けての意欲も見せる。

 今の日本チームを見れば、なかなか若手が育っていないという事実を抜きにしても、葛西が中心人物ということに間違いはない。競技に対する真摯な姿勢で後輩たちを引っ張るだけではなく、性格も含めてチームの雰囲気を盛り立てるムードメーカーにもなっている。今後の男子ジャンプ界を長い目で見れば、彼に代わるリーダー役の登場は必須条件だが、まずは目の前の目標である平昌五輪を考えれば、日本チームにとっては葛西の復調が最大のカギになる。それは葛西自身が一番わかっていることだろう。

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