レジェンド鳥人・葛西紀明と男子ジャンプ陣は平昌までに復調できるか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Newspix24/AFLO

 ところが2日の本戦では、1本目で葛西が114m、32位で2本目進出を逃すというまさかの事態に。1本目13位の伊東は2本目で順位を落として15位、竹内も1本目の17位から順位を伸ばせずに終わる。伊東は「自分なりには攻めた内容のジャンプはできましたが、ノーマルヒルと同様にトップとの差はあるので、その差を埋めるために何かを見つけなければいけないですね」と言い、竹内も「2本目は飛び出した時にけっこういくかと思ったが風で落とされてしまって......。そういう条件も超越するような調子にたどり着けなかったのが敗因です」と反省する。

 もうひとり出場した作山憲斗(北野建設)は、予選をギリギリで通過。102mで最下位の50位に終わり、最後の種目であるラージヒル団体へ向けても暗雲が垂れ込め始めた。伊東も「今の日本チームの調子では厳しいので、そういう悔しさを来年にぶつけられるようにして、来年こそはこういう気持ちで臨まないようにするのが大事」と、始まる前から悲観的な言葉まで口にした。

 そんな状況で迎えた4日のラージヒル団体は、予想していた通りの厳しい結果になってしまった。総じて弱い風が吹くなかで、1本目で日本は1番手の竹内の120mが最高と飛距離を伸ばせず、7位。風が荒れて、待たされるジャンパーも出てくるようになった2本目には全体で6位の得点を獲得したが、結果はチェコと同得点の922・7点で7位タイ。

 今季のW杯3戦で日本は7位、8位、8位で終わっていた状況を覆すことができなかった上、1104・2点で優勝したポーランドを筆頭に、1000点台に乗せたノルウェー、オーストリア、ドイツとの大きな差を見せつけられる結果になった。

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